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31章心リハについて知っておくべき基本知識なぜ心リハが必要なのか?A地域施設または在宅で非監視下に実施され,生涯にわたり継続されるものである.各時期の心リハの内容や目標を図2に示す.心リハの歴史と基本的概念の変化 心リハの歴史的変遷を図3に示す1).欧米では1960〜70年代にAMIに対する入院中cの心リハが行われるようになったが,当時の目的は,長期安静臥床により生じた身体デコンディショニングを是正し,運動耐容能を向上させ退院・社会復帰を早めることであった.しかし1980年代以降,退院後に外来で実施され,運動に加えて教育・カウンセリン図2急性心筋梗塞後の心リハの時期的区分と内容(著者作成)時期区分身体活動能力再発リスク心リハの形態心リハの時期発症後4~7日以内入院・CCUまたは病棟心リハ施行非施行非施行心リハ施行急性期(PhaseⅠ)維持期(PhaseⅢ)回復期(PhaseⅡ)5日~2週間3週間~5カ月回復期早期(Early PhaseⅡ)回復期後期(Late PhaseⅡ)入院・リハビリ室~外来監視下外来監視下と在宅非監視下の併用(心リハの時期は合併症のない場合の例示であり,心筋梗塞サイズ・重症度・合併症により変わりうる)地域施設~在宅非監視下心リハの目標身の回りの活動退院・家庭復帰社会復帰・復職生涯にわたる快適な生活の維持心リハの内容•急性期合併症の監視・ 治療•段階的身体動作負荷•心理サポート•二次予防への動機づけ•予後リスクと運動 耐容能の評価•運動療法•教育・カウンセリ ング疾病管理•運動療法•二次予防•疾病管理•運動療法•二次予防•自己管理6カ月以降図1心リハの概念の変化A.従来の心リハの概念多職種チーム再発予防・長期予後改善運動耐容能増加QOL向上運動療法カウンセ リング患者教育多職種チーム再入院防止・長期予後改善運動耐容能増加・フレイル予防QOL向上・抑うつ改善運動療法疾病管理カウンセ リング患者教育B.新しい心リハの概念医学的評価医学的評価従来の心リハの概念は,多職種チームが医学的評価に基づいて,「運動療法・患者教育・カウンセリング」という3つの構成要素を通じて,「再発予防・運動耐容能増加・QOL向上」という3つのゴールを達成することであった.超高齢多発併存疾患保有時代を迎えた現在,心リハの概念が変化し,構成要素に「疾病管理」が加わって4つになり,ゴールとして「再入院防止・フレイル予防・抑うつ改善」が加わった.(著者作成)
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