T160270
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4グを含む「包括的心リハ (comprehensive cardiac rehabilitation)」が,冠危険因子・生活の質(QOL)・長期予後を改善する効果を有することが明らかにされ,心リハの概念が「早期離床と社会復帰をめざす機能回復訓練」から「長期予後とQOLの改善をめざす二次予防プログラム」へと大きく変化した.この時期の心リハの基本概念が図1Aに相当する. その後1990〜2000年には,慢性心不全に対する運動療法が運動耐容能・QOLに加えて長期予後改善効果を示すことが報告され,注目を集めた(1章B,7章E参照).一方この時期に欧米で,多職種介入(Multidisciplinary intervention)による「疾病管理プログラム(disease management program)」が心不全患者の再入院防止・予後改善効果を有することが示されたが,運動療法を含むものではなく課題が残された3)(6章参照).2000年代になり,外来心リハが冠動脈疾患4)や心不全5)の疾病管理プログラムとして機能しうることが報告され,外来心リハがセルフケア・生活習慣改善の指導を行う疾病管理プログラムとして有用と認識されるようになった6,7).さらに2010年代になると,高齢心不全患者の増加に伴いサルコペニア・フレイルが再入院や長期予後の規定因子として注目されるようになり8),高齢心不全患者のフレイル対策として運動療法の重要性が再認識されるようになった(8章D参照).これらを踏まえると,超高齢・多発併存疾患保有時代を迎えた現在,新しい心リハの基本概念は図1Bのように表現できる.心疾患治療の現状:急性期治療の進歩と退院後管理の課題 図4にわが国における心疾患の各種指標の動向を示す9-11).心疾患年齢調整死亡率は1980年から2004年までに大幅に低下したが,地域コホート研究9)ではAMI年齢調整発症率はむしろ増加し,2000年から2015年までなぜ心リハが必要なのか?2a図3心リハの歴史的変遷 1930AMI臥床8週間(梗塞部瘢痕化まで臥床)(運動療法・教育・カウンセリングにより 冠危険因子改善・再発予防) 1980外来心リハ(運動療法により運動耐容能 改善・早期社会復帰)2010疾病管理プログラム(外来・在宅における慢性疾患の長期管理)2000 心不全の運動療法     (運動療法により心不全の予後とQOL改善)19701950アームチェア療法(早期離床の試み)1960臥床2週間(早期離床しても弊害なし)  入院2週間(長期臥床によるデコンディショ ニングの弊害の認識)1990包括的心リハ  (文献1より引用)

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