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10Case 4瘢痕性心房頻拍 P.201〜216Scar-related Atrial Tachycardia心房頻拍の原因には、異常な自動能(肺静脈、上大静脈、冠状静脈、心耳、分界稜などから自動的に発生するもの)と、電気興奮が心房内で旋回(リエントリー)するものがあります。瘢痕性心房頻拍とは、開心術後の心房切開線や器質的心疾患に伴う瘢痕組織の周辺をリエントリー回路に含む頻拍で、その多くは、電気興奮が心房筋を大きく旋回する「マクロリエントリー性頻拍」です。●透視画像●3Dマッピング(CARTO®mapping)●カテ配置と頻拍回路の模式図●エントレインメントペーシング時の心内電位●術式●頻拍の12誘導心電図右房内に16極の電極カテーテルを挿入し、冠静脈洞入口部よりエントレインメントペーシングを行った。この部位は頻拍回路に比較的近接していると考えられる。電位波高の「高い・低い」で表現したマップで、頻拍症の発生や維持にかかわる素地(不整脈基質)を把握し、焼灼部位を決定するうえで重要となる。共通肺静脈の血流が左房に向かうようパッチを縫合。解剖と術式P.201P波はⅡ、aVF誘導が陰性、V1誘導で上向きで、P波間には等電位線があるように見えることから左房起源の ATの可能性もある。ただしマクロリエントリー性心房頻拍の場合、心電図から頻拍の回路を推測するには限界がある。総肺静脈還流異常に対する心臓外科術後に生じた心房頻拍に対しカテーテルアブレーションを実施した。診断治療の実際●瘢痕性心房頻拍の至適通電部位=頻拍の「必須緩徐伝導路」を最短で安全に遮断することができる場所●心臓電気生理学的検査に3Dマッピングシステムを併用して診断する!症例RSPVドーム状に形成した人工血管パッチ共通肺静脈腔RIPVSVCへの開口部LAASDRASVC背中側胸側IVCマップした局所電位が基準電位より「早いか・遅いか」をカラーで表現することで、頻拍の興奮伝播様式を視覚的に理解することができる。アクチベーションマップP.211ボルテージマップ(サブストレートマップ)P.213エントレインメントペーシングとは?何がわかるの?P.206その理由は?P.203ⅠⅡⅢaVR陰性P陽性P陰性PaVLaVFV1V2V3V4V5V6LAOCSOS(閉塞)h-RACTIRAPW(ABL)7-81-23-45-67-85-63-41-2SVCRA 7-8RA 1-2CS 1-2(PPI= TCL+10ms)CSOS(閉塞)CS7-8(CTI)TVA頻拍中の興奮経路CS1-2からのエントレインメントペーシング中の興奮経路ペーシング部位SVCRA 7-8RA 1-2CS 1-2(PPI= TCL+10ms)CSOS(閉塞)CS7-8(CTI)TVA頻拍中の興奮経路CS1-2からのエントレインメントペーシング中の興奮経路ペーシング部位ⅡS215215240230230SSV1RA 7-8RA 5-6RA 3-4RA 1-2CS 1-2CS 3-4CS 5-6CS 7-8Head meats tailCSOS(後中隔) +10CTI+70±0±0aペーシング部位ダブルポテンシャルbフラグメントポテンシャル
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