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9心不全 心臓の収縮力が低下すると、生体は本来の血圧を保つことができなくなってしまいます。こうなると、短期的な臓器保護のため昇圧薬を使用することになりますが、弱った心臓にムチを入れる悪魔の所業でもあります。 心不全の際には交感神経系や昇圧ホルモンが働き、血管を収縮させて血圧を維持しようとしますが、これは弱った心臓には大きな負担です。この悪循環を断ち切るためにニトログリセリンなどの血管拡張薬が用いられます。一方、生体は心機能が低下すると、循環血液量を増やし、左心室の拡張期容積を増やすことで収縮力を維持しようとします。軽度の心不全であればこの代償によってバランスが保たれますが、これにも限界があります。過剰となった循環血液量を改善する目的で使用されるのが利尿薬ですが、腎機能悪化や電解質異常を見ることがあります。心不全の薬物治療 ① どーする急性期?

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