はじめに 循環器は「なんとなく難しくて苦手」というのは新人ナースやはじめて循環器看護に携わるナースからよく聞かれる言葉です。循環器病棟ではわかりにくいモニター心電図を見なければならず、多様な薬剤が使用され、場合によっては循環補助の機械まで管理しなければなりません。このような環境下では似たような不整脈の名前や薬剤名、機械の名前など、覚えなくてはならない用語も多岐にわたり、これらを覚えるのも一苦労です。このことも苦手意識を持たれるひとつの理由かもしれません。しかし、患者さんの看護を適切に行う上でこれらの用語を理解しておくことは非常に重要なことです。 本書では循環器診療を行う上でよく出てくる、そしてまず知っておきたい用語を取り上げ、その内容もできるだけ簡単に解説しました。最初から全部用語を覚えようと肩肘を張る必要はありません。用語をチェックして、日々の診療・看護を行うということを繰り返していくうちに自然と身についてくるでしょう。 循環器疾患は急性疾患で急ぎの処置を要するものも多く、病棟業務ではスピードが求められることがしばしばあります。業務のなかでわからない言葉をゆっくりと調べることもできず、ストレスを感じることもあるかもしれません。日々の忙しい業務のなかで用語の確認をちょっとしたい、あるいは一通り用語の予習をしてみたいと思った時に本書を活用していただきたいと思います。本書は、雑誌『ハートナーシング』の主に新人ナースを対象とした特集をもとに書籍化したものですが、雑誌掲載時には盛り込めなかった解説や「ケアにつながるアドバイス」も追加し、より充実した内容となりました。新人ばかりでなく、もう少し経験を積まれた方の復習にも使用できるものと思います。忙しいみなさまの日々の看護のお役に少しでも立てれば、本書の目的は達成されたものと思います。2019年1月嘉納寛人
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