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第Ⅰ章病態・症状についてのキホン1そもそも心不全とは?3心臓の働きとポンプとしての役割心臓の働きと全身の循環 心臓は休むことなく収縮と拡張を1日に約10万回繰り返しており、全身や肺に血液を送り出しています。左心室は大動脈経由で全身の臓器に血液を送り出し、酸素や栄養分が使われた血液が静脈から右心房に戻ってきます。この血液のめぐりを「体循環」といいます。右心房に戻ってきた血液は、右心室が肺動脈に血液を送り出します。肺の血管で肺から酸素を取り入れ二酸化炭素を放出した血液は、左心房に戻ってきます。この肺での血液のめぐりを「肺循環」といいます。このように心臓は「体循環」と「肺循環」に血液をめぐらせることで生命を維持するという非常に重要な役目を担っています(図4)。心臓のポンプとしての2つの役割 患者さんの心不全の状態を理解するために、心臓のポンプとしての役割を2つに分けて考えます(図5)。1つは「静脈から血液をくみ出す役割」、もう1つは「血液を送り出す役割」です。心不全の患者さんでは、この心臓のポンプの2つの役割のどちらか一方または両方の機能が低下しているため、さまざまな症状が出てきます。この2つ図3心不全はさまざまな疾患の終末像高血圧心筋症先天性心疾患虚血性心疾患弁膜症不整脈心不全11

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