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抗不整脈薬第1章ネル遮断作用と一部のKチャネル遮断作用により、心筋脱分極抑制、再分極延長による不応期の延長で不整脈の発生を抑制・停止する。また抗コリン作用を有する薬剤で、洞調律時の心拍数低下効果もある。副作用:心室頻拍、血圧低下、心室細動、房室ブロック、洞停止、口渇、排尿障害。投与管理のポイントジソピラミドはNaチャネルを強力に遮断する薬剤なので、心収縮力を抑制する作用(陰性変力作用)を有する。これにより心不全が発生したり悪化したりすることがある。内服中は浮腫や呼吸困難感などの心不全症状の有無を確認し、心収縮が低下している患者さんには投与しないことが重要である。抗コリン作用を有する薬剤なので、口渇や特に男性での排尿障害の副作用が出ることがある。投与中は症状の確認が必要である。主に腎排泄の薬剤であり、腎機能低下例では上記の副作用が見られやすくなるため定期的な血液検査や投与量の調整が必要である。心収縮を抑制する作用(陰性変力作用)があるため、浮腫・呼吸困難感などの心不全症状の有無をチェック。心収縮が低下している場合には使用しない。抗コリン作用による排尿障害に注意。腎機能低下患者には注意。❶❶❷❷❸❸ジソピラミドの心収縮力を抑制する作用(陰性変力作用)を利用して、閉塞性肥大型心筋症の患者の症状改善目的に不整脈がなくても投与することがある1)。(井土智嗣)循環器の治療薬1部19

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