302040340
3/12

第1章3はじめてのICU看護はじめに 消化器内視鏡診療は,近年検査のみならず治療においても非常に目覚ましい進歩を遂げています.私が大学を卒業し消化器内科医を志したころに全国に広まりつつあった内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)は,今や早期消化管がんに対する標準治療のひとつとなっています.そのほかにも超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)やダブルバルーン小腸内視鏡,カプセル内視鏡などさまざまな新しい内視鏡検査が生まれています. このような内視鏡診療の進歩に伴い,必要となる看護も日々変化しています.内視鏡分野においては,医療スタッフのチームワークが非常に重要であり,医療スタッフ間の意思疎通をスムーズに行うためにも,患者さんの背景の十分な理解,処置がどのような状況で進行していくかという予測,処置に対する的確な介助技術などが求められます.また,内視鏡検査や治療にはさまざまな機器が使用されており,それらを十分に理解することも重要です. 本書では,消化器内視鏡看護をはじめて学ぶ新人看護師さんにもわかりやすいように,内視鏡看護に必要な基礎的な事項や,具体的な検査・治療の管理について写真やイラストを用いて解説しています.また,内視鏡室の運用に必要な内視鏡洗浄・消毒についても記載しています. 本書が内視鏡診療に携わる看護師さんのみならず,内視鏡技師さんや消化器内視鏡医を志す医師の皆さんにも活用いただけることを祈っています. 2019年8月独立行政法人労働者健康安全機構大阪労災病院消化器内科消化管内科部長 山田拓哉

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る