数ある看護書のなかから『消化器に配属ですか?!』を手に取っていただきまして、ありがとうございます。この本を手にしているということは、皆さんは消化器病棟に配属になったのだと思います。実は私も、新人看護師として最初に配属されたのは消化器病棟でした。今思い返せば、最初に消化器病棟に配属されてよかったと思っています。消化器病棟は手術や内視鏡検査・治療を受ける患者さんの看護がメインになります。そのため周術期管理やドレーン管理、創傷管理、栄養管理、ストーマケアはもちろん、術後合併症や急性膵炎によって重症化することもあるため重症管理も学ぶことができるし、手術や内視鏡検査・治療をするとせん妄にもなりやすいので、せん妄の看護も学ぶことができます。絶食を伴う治療が多いため、とにかく点滴が多いのが特徴です。ルートキープの機会も多いので、自然に上達します。術後に尿閉になることもあるので、導尿や尿道カテーテルを挿入する機会もありますし、食道がん術後に気管切開をすることもあるので気管吸引の機会もあります。一般的な看護技術はたいてい経験することができると思います。つまり消化器病棟は看護師として必要ないろいろな知識・技術を習得できるので、新人看護師が最初に経験するにはもっともよい病棟だと思います。この本は、私が所属する大阪市立総合医療センターのすみれ16病棟(消化器外科、消化器内科、肝胆膵外科の混合病棟〔2020年4月現在〕)の看護師みんなで書きました。新人看護師である皆さんの気持ちがわかる若い看護師にもたくさん書いてもらいました。そのため皆さんが知りたいことや疑問に思うことが、痒いところに手が届くように載っていると思います。この本が、皆さんが消化器病棟で看護師としての第一歩を踏み出すサポートになったなら、とても嬉しく思います。2020年10月地方独立行政法人 大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 看護部 すみれ16病棟久保健太郎『消化器に配属ですか?!』を手にしていただいた皆さんへ
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