T230410
11/12

脳の構造第章215 ・運動性言語中枢が障害されると運動性失語症を呈します. ・●●運動性失語症は失語症のひとつで,「他人の話すことは理解できますが,自分の思っている言葉が出てこない状態」を言います. ・●●失語症とは言語中枢が障害されたときに生じる症状で,声帯や舌などの発語器官は正常であり,聴力障害もなく,かつ知能や意識の低下もないのに,言語や文字による表現や理解ができない状態です.前頭葉には一次運動野,前頭眼野や運動性言語中枢があります.一次運動野には“ハル(HAL)”という「運動系の“小人(ホムンクルス)”」がいます.前頭眼野は眼球の側方注視をつかさどっています.運動性言語中枢が障害されると,「他人の話すことは理解できるが,自分の思っている言葉が出てこない状態」,すなわち“運動性失語症”を呈します.図3●前頭葉の機能前頭葉が障害されると,運動麻痺,運動性失語,記銘力障害,見当識障害,駄じゃれをよく言うなどの症状が出現します.4野,6野などの数字は,ブロードマン領域を示す.あらステキな人!前頭眼野(8野)このような眼球の随意的共同運動を支配する.この思い伝えたいのに……コトバニナラナイ〔運動性失語〕ここが障害されると運動性言語野(44野)ブローカ野前頭葉連合野(意欲・創造・思考・情操)運動前野中 心 溝(1)一次運動野(4野)(2)補足運動野(6野)(3)〔外側〕〔内側〕眼窩に面した前頭葉の障害で,駄じゃれやひょうきんな言い回しが多くなるんだ  アハハハ……(1),(2),(3)の3つの運動野が障害されると程度の差はあるものの,対側運動障害が起こる.

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 11

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です