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脳の構造第章213●●大脳半球は,表面の皮質と深部の白質とに分かれます. ・●●皮質は灰色をしているので「灰かい白はく質しつ」と呼ばれ,神経細胞が並んでいます. ・●●深部は白色なので「白質」と呼ばれ,神経細胞の突起があります.●●大脳は前頭葉,側頭葉,頭頂葉と後頭葉の4つに区分されますが,各脳葉は“しわ(脳溝)”により区切られています(図1).脳溝●●前頭葉と側頭葉とを分けているのはシルビウス裂(外側溝)です(図1).●●前頭葉と頭頂葉とを分けているのは中心溝(ローランド溝)で(図1),中心溝は運動野(一次運動野)と感覚野(一次感覚野)とを分けていることにもなります.●●頭頂葉と後頭葉との境界は頭頂後頭溝ですが,頭頂後頭溝は外側面では,その溝は短いです(図1).●●側頭葉と後頭葉とを分けている明瞭な脳溝はありません.各脳葉の働き前頭葉 前頭葉には中心前回の一次運動野,前頭眼野(ブロードマンの第8野)や運動性言語中枢(ブローカ野)などがあります.1)中心前回(図2) ・●●中心前回(中心溝のすぐ前方)は一次運動野で身体の運動に関与しており,この部位が障害されると反対側の身体の運動麻痺をきたします. ・●●一次運動野には体部位局在があり,大脳半球の内側面から外側面に向かって,趾し,下肢,体幹,上肢,手,指,顔面(頭部)の部分が順に並んでおり(この配列を運動系の「小人(ホムンクルス)」と言います,図2).この皮質の各部位が,対応する身体の各部位に出力しています(p.54「錐体路」参照).「小人」の身体の並び方は,シルビウス裂から大脳縦裂内側面に向かって,頭(Head)→腕(Arm)→足(Leg)〔大脳縦裂内側面〕の順になっているので,“ハル(HAL)”って覚えればいいです(図2).2)前頭眼野(図3) ・前頭眼野は眼球の側方注視(眼球の共同水平運動)をつかさどっています. ・●●前頭眼野が障害されると,両眼球は障害のある側を見詰めるように水平に変位し,健側(病巣と反対側)への側方共同注視ができなくなります.これを“側方注視麻痺”,

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