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はじめに 【かんテキ 脳神経 〜患者がみえる新しい「病気の教科書」〜】は、脳神経疾患診療にかかわるすべての医療従事者や臨床実習を行う学生、疾患について詳しく理解したい一般の方々のために、平易な文章やイラストを使い、できるだけわかりやすい内容になることを目指しました。執筆をお願いしたのは、広島大学病院で脳神経疾患治療の第一線で活躍している先生方です。その中でも権威を基準にせず、実際に病棟で指示を出し患者さんの一番近くで臨床を行っている先生を中心にしました。 本書では、まず1章と2章で脳神経疾患を理解するための解剖や病態生理を丁寧に解説し、理解していただきます。そして3章以降では疾患ごとに、病棟で患者さんとかかわるにあたりベッドサイドに行き患者さんを診察する前に「最低限理解してほしいポイント」や「見落としてはいけない変化」について画像所見を関連づけて解説するとともに、「入院から退院までの一般的な経過」を記載しています。医療従事者はもとより、患者さんの不安軽減にもひと役買えるような内容となっています。 臨床現場においても電子化が進み業務効率化がはかられる一方で、時代の流れにより事務的作業が増えパソコンの前に座って作業をする時間が長くなってきています。医療従事者皆が日々の業務に忙殺され十分なコミュニケーションがとれず、よりよい医療を実践・提供できていない部分もあります。このテキストが皆様の疑問を少しでも解決し円滑なチーム医療の実践に役立つことができれば幸いです。 2019年8月 広島大学大学院医系科学研究科 脳神経外科学 診療講師 岡崎 貴仁 iii

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