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8 BRAIN NURSING 別冊語感で覚える脳実質の解剖①大脳語感で覚える脳実質の解剖①大脳111大脳皮質と大脳辺縁系大脳は、大脳皮ひ質しつ(灰白質)と大脳髄ずい質しつ(白質)からなります。大脳皮質は、①各脳のう溝こうにより前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉の4領域に分けられる新皮質、②海馬、脳弓、歯状回などの古皮質、③嗅きゅう葉よう、梨り状じょう葉ようなどの旧皮質、に分類されます。この各大脳皮質部位に運動野、体性感覚野、視覚野、聴覚野、嗅覚野、味覚野、言語野などさまざまな中枢が存在し(機能局在)、部位ごとの高次脳機能をつかさどっています。また古皮質、旧皮質、中間皮質(帯たい状じょう回かい、海馬回)、皮質下核(扁へん桃とう体たい、中ちゅう隔かく、乳頭体)は、まとめて大だい脳のう辺へん縁えん系けいとよばれ、記憶の形成や保持、情動の機能にかかわっています。大脳基底核と脳室系大脳髄質(白質)深部の間脳周囲には、神経細胞の集まりである尾状核、被殻、淡蒼球、視床下核などの大脳基底核(灰白質)が存在します。大脳基底核は、おもに錐すい体たい外路運動にかかわっています。そのほか、深部には脳室系が認められます。脳は胎生の早い時期に外がい胚はい葉ようから分化した神経管から発達したもので、神経管の内腔は中枢神経系が完成したあとも腔所として残ります。この左右大脳半球にある腔所を側脳室、間脳にある腔所を第三脳室、中脳にある腔所を中脳水道、橋と延髄の背面にある菱形状の腔所を第四脳室とよびます。第三脳室と側脳室とは室間孔(モンロー孔)で、第四脳室はルシュカ孔やマジャンディ孔を介して中心管とつながっており、すべての脳室がつながっています。また、脳室内にある脈みゃく絡らく叢そうで産生された脳脊髄液が各脳室を循環、これら脳室内を満たし、最終的には、くも膜下腔にあるくも膜顆粒を通って静脈内に流れ込みます。脳脊髄液は、脳を守るクッションの役割を果たしています。このように大脳は、おもに大脳皮質、大脳辺縁系、大脳基底核、脳室系などから構成されており、本稿では部位ごとに解説します。
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