8くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という「こぶ」が破れて起こります。脳動脈瘤の中でも、破裂しやすい好発部位と、その部位の症状を図に示します。脳動脈瘤の破裂しやすい好発部位と症状中大脳動脈瘤動眼神経内頚動脈・眼動脈分岐部動脈瘤=視力・視野障害中脳橋延髄視神経前交通動脈瘤後交通動脈後大脳動脈上小脳動脈脳底動脈後下小脳動脈椎骨動脈内頚動脈‐後交通動脈分岐部動脈瘤=動眼神経麻痺脳底動脈・上小脳動脈分岐部動脈瘤=動眼神経麻痺発症後は危険な合併症と隣合わせ。三大合併症である①再出血、②脳血管攣れん縮しゅく、③水すい頭とう症しょうに注意!!症状は?突然の激しい頭痛(後頭部をバットで殴られたような痛み)、悪心・嘔吐をともないます。ただし、少量の出血では軽い頭痛のことがあります。出血部位によっては、視力・視野障害、動眼神経麻痺、意識障害、運動麻痺を起こします。脳を破壊しないため、くも膜下出血を発症した患者さんのうち、約1/3は正常に回復しますが、約1/3は重い後遺症を残し、1/3は死を招きます。勉強がはかどってきたら、脳動脈の灌かん流りゅう領域は押さえておこう。
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