脳神経外科病棟ってどんなとこ?9章1脳梗塞は、血栓ができることで血管が詰まる(閉へい塞そく)、もしくは狭くなってしまう(狭きょう窄さく)ことで、脳組織に血液が行き渡らなくなって起こる疾患です。血液によって運ばれるはずの酸素と栄養が不足することで、脳細胞がはたらかなくなり、やがて壊死します。脳の組織は、血流が途絶えると数分〜数時間で壊え死しし、梗こう塞そく巣そうとなります。梗塞巣は元に戻ることはありません。病型はおもに、ラクナ梗塞、アテローム血けっ栓せん性せい脳梗塞、心しん原げん性せい脳のう塞そく栓せん症しょうに分類されます。脳細胞が壊死し、壊死した部分が担っていた機能が失われることによって、症状として現れます。症状は?症状とその程度は、梗塞の範囲と部分によって異なります。体の片側の麻痺や脱力(運動障害)、触覚、痛覚、温度の感覚に差が出る(感覚障害)、ろれつが回らない・言葉が理解できない(言語障害)、視野の片側が欠ける・物が二重に見える〔視野障害、眼球運動障害(複ふく視し)〕、めまいやふらつき(失しっ調ちょう)などがあります。頭がぼんやりする・意識がない(意識障害)や、ものを認識できない・道具の使い方がわからないなど(高こう次じ脳のう機き能のう障しょう害がい)を起こすこともあります。脳腫瘍とは、頭蓋内(脳実じっ質しつ、くも膜、硬こう膜まく、脳血管、下か垂すい体たい、脳神経や先せん天てん性せい遺い残ざん組そ織しきなど)に発生するすべての腫瘍をいいます。脳腫瘍は細かく分類すると100種類以上あります。原げん発ぱつ性せいに発生する場合と、他の部位からの転てん移い性せいに分かれます。原発性脳腫瘍はおもに良性腫瘍と悪性腫瘍に分かれます。一般に増大がゆるやかで、浸しん潤じゅん傾向がないものは良性腫瘍で、増大が速く、浸潤傾向がみられるものを悪性腫瘍といいます。症状は?一般的な症状には、頭ず(とう)蓋がい内ない圧あつ亢こう進しん症しょう状じょう(頭痛・嘔吐など)があり、腫瘍自体の増大や脳のう浮ふ腫しゅ、脳のう脊せき髄ずい液えきの循環障害による水頭症によって生じますp.55。頭蓋内圧亢進症状である頭痛は朝に生じやすいです。局所症状は、発生した脳腫瘍の部位や腫瘍の浸潤、圧迫の程度によって異なります。腫瘍による浸潤や圧迫は、異常な電気活動を起こし、てんかん発作を招くことがありますp.44。虚血性脳卒中:脳梗塞の患者さんp.26脳腫瘍の患者さんがん細胞の浸潤=まわりに拡大脳梗塞プラーク血栓詰まるp.53知ってた? あの頭のいい先輩も、はじめは新人だったよ。
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