脳保護薬第2章され、有効性の高かった24時間以内の患者に対し、承認された1)。一方で、腎機能障害や肝機能障害、血液障害など複数の臓器障害が発現する症例も報告されており、投与中の血液検査が必要とされている。ALSに関しては、2014年にわが国で適応となり、その後米国含む6カ国で承認されている。適応に関しては患者の状態を考え検討する必要がある。適応は発症24時間以内の脳梗塞患者および軽症のALS。急性腎障害および肝機能障害に注意。脳梗塞患者に対しては、虚血性脳血管障害の発現および進展を抑制することにより脳保護作用を示す。ALSに対しても、神経細胞の酸化的傷害を抑制することで病勢進展の抑制を示す。❶❶❷❷❸❸脳梗塞急性期にrt-PA(アルテプラーゼ)静注療法を行う際、rt-PA投与前または同時のエダラボン投与は、出血性合併症を減らすことが期待されていた。しかし、わが国で多施設共同前向きランダム化比較試験(YAMATO study)が行われ、rt-PA前投与は、rt-PA後と比較して、再開通率や機能予後に関連しないことが示された2)。 ALSに対しては、現在経口のエダラボンによる安全性を評価する臨床試験が進行中であり、将来経口での投与も期待されている。(鈴木健太郎・木村和美)疾患別の薬1部21
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