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腎臓の実質は表層の皮質と深層の髄質から成ります。皮質を占めるのは、腎小体(マルピギー小体)とその周りを蛇行する曲尿細管などで、髄質を占めるのは直尿細管や集合管などです。腎小体は血液濾過装置で、1個の腎小体と1本の尿細管は尿の生成と輸送の構造的・機能的単位でネフロンと呼ばれます。ネフロンは1つの腎臓に約100万個あります。全ネフロンのうち、80~90%は皮質浅層に糸球体を持つ皮質ネフロンで、残りは皮質の深層に糸球体を持つ傍髄質ネフロンです。ネフロンには、糸球体濾過、尿細管再吸収、尿細管分泌の機能があります。まず、糸球体で血液濾過によって原尿をつくり、尿細管において原尿中の生体に必要な成分を再吸収し、血中に回収します。また、血中の不要な成分(水素イオン、カリウムイオン、クレアチニン、薬物など)は尿細管へ分泌され、尿がつくられます。近位尿細管は腎小体を出た後に、髄質内に入り、Uターンして上行し、遠位尿細管となって皮質に戻ります。遠位尿細管は集合管に注いで、集合管は合流を繰り返し乳頭管(ベリニ管)となり、小腎杯の中に突き出した腎乳頭に集まって、乳頭口から腎盂に尿を排泄します(図2)。副腎は、腎臓の上内端に接する、とても脆い器官です。副腎は血管が豊富な器官で、周囲に多くの細かい動脈枝が入り、単一の太い静脈が中心から出て行きます。右副腎静脈は非常に短く、右腎静脈の上方で下大静脈に注ぎます。左副腎静脈は副腎から下降して左腎静脈に流入します。副腎は内分泌腺で外層の副腎皮質と中心部の副腎髄質より成ります。副腎皮質からは、ミネラルコルチコイド、グルココルチコイド、アルドステロン、アンドロゲンを分泌します。副腎髄質は交感神経系と由来が同じで、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミンなどのカテコールアミンが分泌されます(図3)。 腎臓の腎乳頭から排出された尿は腎盂に集まり、尿管によって膀胱に運ばれます。尿管は約30cmの管で、腹部尿管と骨盤部尿管に区分されます。腹部尿管は、広い腎盂から細い尿管に移行する場所である腎盂尿管接合部に始まります。尿管は大腰筋の上に乗って下降し、総腸骨動脈分岐部を乗り越え骨盤内に入ります。骨盤部尿管は骨3副腎4腎盂・尿管4

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