第1章 腎・泌尿器・生殖器の解剖生理図2 尿細管皮質集合管遠位尿細管ネフロン腎小体近位尿細管乳頭管(ベリニ管)腎乳頭髄質外層髄質内層図3 副腎皮質髄質盤壁に沿って走った後に、膀胱後面の膀胱壁を斜めに貫いて膀胱内に開口します。尿管の粘膜上皮は臓器の拡張や収縮に応じて形態が変化する尿路上皮(移行上皮)から成っています。筋層は平滑筋から成り、収縮することで蠕動運動が起こり、腎臓で産生された尿を膀胱へ輸送します。 膀胱は、腎臓から尿管を通して流れてきた尿を一時的に貯留する袋状の中空器官です。膀胱内が空虚な場合は骨盤腔に収まっていますが、充満すると恥骨上縁を越えて腹部にまたがる臓器となります。膀胱の前端部は膀胱頂(尖)部、左右の下側側面を膀胱体部、後面を膀胱底部、下面を膀胱頸部と呼びます。膀胱頸部は尿道へ続き、尿道は起始部で平滑筋性括約筋に囲まれており、この括約筋は膀胱の輪状筋線維と連続しています(図4)。頂部は胎生期の尿膜間が閉塞して生じた正中臍索に続くところであり、膀胱底部には左右の尿管口が開きます。膀胱上面から後方上面は腹膜に覆われています。膀胱の粘膜上皮は、腎盂・尿管から連続した尿路上皮(移行上皮)です(図5)。膀胱が空の場合、尿路上皮は厚く約6層から成りますが、貯留尿量が増加したとき、上皮細胞は扁平になり、横にずれ、細胞層は2~3層に薄くなります。膀胱の筋層は平滑筋から成り、排尿時に収縮し、排尿筋とも呼ばれています。膀胱頸部では平滑筋は内尿道口を輪状に取り巻き、内尿道括約筋と呼ばれます(図6)。5膀胱5
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