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5◉排尿自立におむつケアと排泄ケアでどうかかわる?第 章1「おむつフィッター」が伝えたいおむつケアと排泄ケア在宅におけるより広い意味合いでの「排尿自立」病棟では排尿自立指導において、尿道留置カテーテルに頼らない排尿、尿路感染の予防、排尿機能・排尿動作を自立させることが目標とされています。しかし、その一方で、在宅医療において排尿・排泄が「自立」するということは、誰かに支えてもらい、助けてもらい排尿・排泄できるといった広い意味合いもあるのではないでしょうか。在宅では何かあったときに支援できる環境があることで、早期に患者さんの排尿の「自立」、つまり「排尿自立」を目指すことができると考えています。さらに言えば、在宅における排尿・排泄の自立とは、「その人の暮らしに合った排泄・排尿」であると言えるのではないでしょうか。情報収集アセスメントシートなど(付録)を使って情報収集を行いますが、本人・ケアする人の思いを傾聴することにより、問題点・課題がみえてきます。話すこと、書くことにより、課題も整理されますし、短期・長期の目標もみえてきます。また、ケアを実施して評価することにより、新たな目標が設定できるようになります(図1)。情報収集を行う際に私がいつも大切にしていることは、浜田きよ子先生より教えていただいた「ケアを必要とする人・トラブルに悩む人の主体を中心に見据え、その人の生活全般を丁寧にみる」という「フルセットのおむつケア」の視点です。これまでかかわってきたケアでも、課題を探り、専門職の技術が生かされてこそ、その人に合った「排泄ケア」も大きく変わることが実感できました。アセスメント訪問看護では、アセスメントシートで収集した情報をもとに患者・家族から在宅生活での思い・希望について傾聴します。例えば、在宅の生活のスタイルを観察しながら、暮らしのスペースとなる間取り、ベッド、お風呂、トイレなどについてうかがっていきます。そして、おむつ・排泄ケアにおけるアセスメントとケアの流れ①アセスメントシートに基づき、患者・家族から在宅生活にかかわる思い・希望を傾聴する②「主治医意見書」に基づき、ケアマネジャーを中心に多職種のスタッフと情報を共有する③短期~長期目標を設定する⑤患者さんの状態を評価する⑥ケアの実践と状態の評価を繰り返しながら、定期的にカンファレンスを行い、課題に取り組む⑦新たな目標を設定し、多職種のスタッフ間で共有する④計画に沿ってケアを実践する    患者・家族へのかかわり方図1

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