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2第1章「おむつフィッター」が伝えたいおむつケアと排泄ケア自己流の解決方法になりやすい排泄トラブル排泄ケアで必要なのは、その人に適切なケアになっているかを探る視点です。患者さんは排泄にトラブルを抱えていたとしても、「知られたくない」との心理が働いてしまい、自己流の解決方法になりやすいのが現状です。例えば、同じ「尿もれ・頻尿」を訴える人でも、「尿路感染」「過活動膀胱」「糖尿病」などの疾患を伴っていたり、利尿薬を服用していたりしたら、どうでしょうか。大切なことは、情報収集とアセスメントを行い、それに基づいてケアを実施・評価することです。個人の尊厳・プライバシーが特に大きくかかわる排泄排泄とは身体における代謝で不要になった老廃物や、有害な物質を体外に出すことを指します。一般的には「排尿」と「排便」のことですが、普段何気なく行っている肺から二酸化炭素を排出する呼吸・皮膚からの発汗も排泄に含まれます。何よりも排泄には、個人の尊厳・プライバシーが特に大きくかかわってきます。最後まで人の手を借りず、排泄を行いたいと思うことは自然なことです。大脳機能はもちろん、運動機能も排泄行為にはとても重要になってきます。一連の行動のなかで一つでもできないことがあると問題が生じてきます。また、加齢により皮膚の再生能力が弱まってくるため、誤ったスキンケアの方法により「皮膚トラブル」を起こす原因にもなります。在宅におけるケアで特に負担が大きい排泄ケア在宅ケアでは、「排泄」が特に負担が大きいケアの一つになります。一人一人に適した排泄ケアを行い、QOLを高めるためにも、医療従事者には医療的知識・技術だけでなく、その人に合った暮らしを支えるような視点が必要であると、私は考えます。適切なタイミングで、適切な用具を使用して排泄ケアをすることで、人として尊厳のある生活を送れるのではないでしょうか。例えば、「食欲がない」といった状態であれば、まずは情報収集を行い、疾患、食事、水分摂取量、身体機能、薬剤などについて現状を把握します。そして、アセスメントにより、服薬、食形態、嚥下機能評価、水分摂取量、おむつ、排泄環境、姿勢などを見直し、調整を検討することができます。排尿自立を支えるケアの基本は情報収集とアセスメント排尿自立におむつケアと排泄ケアでどうかかわる?1

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