T120360
13/14

13第1章疾疾疾疾疾疾疾14.関節リウマチの全身症状5)(図4)関節リウマチは全身疾患であるため、関節症状以外に関節外症状をともなうことが多く、軽微なものから臓器病変に至るまでさまざまな症状が出現します。a.全身症状全身症状として、発熱、体重減少、全身倦怠感がみられます。発熱は37℃台の微熱がみられます。38℃以上の発熱がみられた場合は、まず感染症などのほかの原因を考えていく必要があります。体重減少は関節リウマチが急性発症で消耗性炎症が持続する場合にみられます。進行すれば、日常生活動作(activities of daily living:ADL)の低下につながるので十分な対策が必要です。また、関節リウマチの疾患活動性がコントロールできているのに全身症状が出現する場合には、悪性腫瘍の合併などほかの原因を精査する必要があります。全身倦怠感は炎症性疾患ではしばしば認められます。とくに急性発症の場合に呈することが多いです。ただし、これらの症状は関節リウマチに合併する貧血によっても起こるので注意が必要です。b.リウマトイド結節リウマトイド結節(皮下結節)は、肘、膝の前面、アキレス腱などに出現する無痛性腫瘤で、自然に消退します。関節リウマチ患者さんの20〜30%にみられます。c.眼症状眼症状として、強膜炎・上強膜炎、ぶどう膜炎(虹彩毛様体炎)、乾燥性角結膜炎、角膜潰瘍などが挙げられます。軽度の眼痛と球結膜直下の強膜が充血することから強膜炎・虹彩毛様体炎が明らかとなり、0.9〜15.9%の患者さんにみられます。また、涙図4 関節外症状強膜炎・上強膜炎ぶどう膜炎(虹彩毛様体炎)角膜潰瘍、乾燥性角結膜炎リンパ節腫脹心筋炎心筋梗塞心嚢炎腸間膜動脈閉塞症アミロイドーシス下痢多発単神経炎間質性肺炎胸膜炎肺線維症皮下結節紅斑腎アミロイドーシス筋炎皮膚潰瘍・壊死

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る