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整形外科病棟ってどんなとこ?7章1基本的には急性期病棟なので、短い期間で入院から退院後の生活まで見据えた幅広い看護を実践することができます。運動器の疾患の自覚症状で最も多いのが痛み(疼痛)です。外観上の変形としては、体幹・四肢の欠けっ損そん・短たん縮しゅく・萎い縮しゅく・弯わん曲きょく・突とっ出しゅつ・膨ぼう隆りゅう・腫しゅ脹ちょうなどとして現れます。どの部位に、どの程度の機能障害があるかによって、ADL(activities of daily living:日常生活動作)に大きく影響します。 保存治療保存治療には、安静にする、ギプスや装具などを装着して患部を固定する、鎮ちん痛つう薬やくなどを使用して疼痛を緩和する、リハビリテーション(以下、リハビリ)などで筋力をつける、といった方法があります。外科治療(手術)急性期の整形外科病棟では手術を目的に入院する患者さんがほとんどです。ADLの向上と拡大のために、手術後もリハビリを行います。整形外科病棟に入院している患者さんは、痛みやしびれがあったり、ギプスや装そう具ぐによる運うん動どう制せい限げん、慣れない歩ほ行こう補ほ助じょ具ぐの使用などによって思うように動けず、転てん倒とうの危険性が高い状態です。入院中に転倒してしまうと、本来の治療目的とは別の二次的な合併症を起こすなど、治療の妨げとなりかねません。それは患者さんのADLやQOL(quality of life:生活の質)の低下につながります。高齢者では術後せん妄もうなどを生じることが多く、さらに転倒の危険性が高くなるので注意が必要です。長年痛みを抱えていたり、思うように動けないことに苦痛を感じていたりすることが少なくありません。退院後もリハビリが必要になることがあり、精神的な支援が必要です。在宅で社会資源を活用したり、地域との連携やサポートが必要になることがあります。疼痛や外観の変形、機能障害といった身体的な問題が主訴となります保存治療か外科治療(手術)を受けます運動器に障害があるため、転倒しやすいのが特徴です日常生活での不自由や不安を感じていることがあります

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