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8術直後は自分で動けなくても、退院のときは笑顔で歩いて帰る姿や、だんだんとよくなっていく姿が目に見え、看護の成果を実感することができます。外来受診~入院前入院後手術当日手術前日入院中外来●十分な準備ができるよう、術前オリエンテーションなどの機会を設け、手術までの準備について、患者さんの精神状態や理解の程度に合わせて説明します。●病棟看護師と連携し、入院後も1人ひとりに合わせたケアが提供できるようにします。●患者さんが安心して入院生活を送れるよう、必要なときに専門看護師や認定看護師をはじめ、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー(MSW)などの多分野のケアを円滑に受けられるよう、支援をします。●手術の同意書などの書類、中止する薬剤の確認や、皮膚が清潔か、爪が伸びていないかなども確認します。●患者さんに不安や疑問がないか観察し、十分な睡眠がとれるように援助します。●手術当日は、心身ともに万全の状態で手術に臨めるようにします。患者さんが安心して、余裕をもって手術室へ向かえるよう、気持ちを整える支援が必要です。●患者さんが入院したら、安全に手術を行い、術後の合併症を予防するために、全身状態を十分に観察、評価し、身体の準備を整えます。●外来に引き続き、クリティカルパスを用いて手術に向けての説明を行い、必要な物品を準備できているか確認します。 ●装具の装着の仕方や術後の肢位、体位変換の仕方、足関節底背屈運動など、術後の過ごし方をイメージできるように練習します。●外来で診断がなされ、治療方針として手術が決まると、手術前の検査や手術について、クリティカルパスを使って患者さんに説明します。手術が決まった患者さんは、手術や入院生活について不安や期待など、さまざまな思いが混在しています。患者さんが、その気持ちを表出できるような支援が必要です。(→入退院支援)特に注意!足関節底背屈運動は深部静脈血栓予防のために行います。すべての手術の術後、とくに股関節と膝関節の術後は下肢の深部静脈血栓が起こりやすい状態です!手術前のおもな検査栄養状態、呼吸機能、循環機能、腎機能、肝機能、内分泌機能、止血・凝固機能など。● 高齢の患者さんでは脱水になっていないか、糖尿病や高血圧の患者さんでは血糖値や血圧などに注意します。どちらも症状の有無を注意深く観察します。● 糖尿病治療中で絶食・絶水の指示がある場合、インスリン投与の有無などを確認します。● 手術の前日は麻酔科受診や手術室看護師の訪問、リハビリ科の受診、装具の採寸、検査、処置などで慌ただしくなります。3患者さんの病期別に、看護師のかかわりはこう変わります

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