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 整形外科は主に運動器(骨、関節、筋肉とそれらを養い機能させる血管、神経)を扱います。もちろん患者さんの命にかかわるような重大な徴候を見逃さないことが何よりも大切ですが、整形外科ナースとしてみなさんに求められるのは、運動器の機能障害(日常生活動作の中で何ができるか、できないか)をきめ細やかに観察し、具体的に記録しておくことです。意外に医師のカルテにはそのような個々の日常生活動作の具体的記載がなく、看護記録が大変役に立つことがあります。なぜならば、患者さんにとっては、レントゲンの良し悪しよりも、治療を受けて「治療前にはできなかった、こんなことができるようになった」ということが大きな喜びだからです。そして、それこそが整形外科治療の目標なのです。 このような観察は、術後の看護にも大変役に立ちます。整形外科の術後経過においては、神経障害、血管障害など、いち早く発見して対処しないと重篤な後遺症を残してしまう合併症がいくつかあり、その発見はナースの判断に頼るところが大です。それには患者さんの訴えを素直に聞き、状態を客観的に観察する能力が必要で、さらに、少しでもおかしいと思えば躊躇なく他のナースや医師に連絡することが大切です。ナースのみなさんへ

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