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1褥瘡ケアの基本1 褥瘡発生のメカニズムともに仙骨部に生じた褥瘡。❶は仙骨部に留まっているが、❷は頭側挙上で生じた剪断応力により、仙骨部から尾骨を含む両臀部まで広範囲となり、中心部は深部組織に達する損傷(深部損傷褥瘡である)の可能性が高い。外力(圧力+ずれ力)細胞死・組織障害①阻血性障害 グルコース供給不足 嫌気性代謝亢進 組織内の乳酸蓄積 pHの低下②再灌流障害阻血による炎症性サイトカインやフリーラジカルなどの組織障害物質の蓄積 血流再開によりこれらの物質が阻血部位より広がり組織障害を悪化③リンパ系機能障害 リンパ灌流のうっ滞 老廃物や自己分解性酵素の蓄積④機械的変形 外力の直接作用 細胞のアポトーシス 細胞外マトリックスの配向性の変化・ 圧縮応力に剪断応力が加わると組織の血流障害の範囲が増大し、褥瘡の重症化につながる。・ 褥瘡発生の最大の要因は、外力による組織の阻血性障害であり、再灌流障害、リンパ系機能障害、機械的変形が複合的に関与している。・ 褥瘡発生の原因は、局所的要因、全身的要因、社会的要因に分類され、3つの要因が重なると褥瘡発生リスクが高まる。[日本褥瘡学会編.褥瘡予防・管理ガイドライン.照林社,2009年,p.19より] 褥瘡発生のメカニズム褥瘡発生の最大の要因は、外力による阻血性障害であり、再灌流障害、リンパ系機能障害、機械的変形が複合的に関与している。11

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