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はじめに 医療従事者にとって、心電図判読の重要性はいうまでもありません。これまでに、心電図の魅力に取りつかれた多くの研究者が、心電図学の発展に努めてきました。ただ心電図は、決して特別な専門家のためだけに存在するものではありません。心電図に興味をもち、判読に自信をもっている人は決して少なくはないでしょう。学生や看護師、臨床検査技師で、医師のレベルを超える判読能力をもつ人もいます。循環器専門医のなかにも、その隠れた才能を他のスタッフに知られていない人もいるはずです。 教授よりも私のほうが心電図を読めるぞ! もっと心電図を好きになりたい! 興味をもちたい! よりいっそう心電図を学ぶきっかけと喜びを分かち合う場が欲しい! 日本不整脈心電学会ではこうした多くの声を受け、心電図検定試験を行うことにいたしました。2015年に開催した第1回目は800人ほどの受検者数でしたが、第3回目の昨年は3,000人ほどにまで増加しました。4回目となる2018年は東京に加えて大阪でも実施いたします。自分の判読力を確認したい、という方はぜひチャレンジしてください。 対象者は医師、看護師、臨床検査技師、医療系学生、医療関連業者のほか、心電図に興味を有する方であればどなたでも受検できます。検定級には、3級(初級)、2級(中級)、1級(上級)があり、1級合格者の高得点者に、「マイスター」とよばれる最高位の級が認定されます。心電図検定で現在のご自分の技量を測り、さらに上の級をめざすことにより、多くの方に心電図のスペシャリストになっていただければと考えています。 初級から中級の受検者が心電図を勉強するには、検定試験に準じた対策本が必要だと考え、初心者向けにわかりやすい医学書籍を多く手がけてきたメディカ出版と相談し、学会公認の公式テキストとして、2015年に『心電図検定公式問題集&ガイド』を発行しました。2016年には改訂2版を、そしてこの度、改訂3版を刊行することにいたしました。内容としては、心電図検定の用語や出題様式に準じてカテゴリー別に心電図を提示して設問とし、考え方の根拠や判読のポイントをていねいに解説しました。3級あるいは2級レベルの問題が中心ですが、一部1級に準ずる問題も加えています。実際の検定を想定した様式にしましたので、効率よく学習を進められることでしょう。 ぜひ心電図検定にチャレンジされ、さらなるスキルアップにつなげていただけることを願っております。 2018年3月 日本不整脈心電学会 心電図検定委員会委員長副島 京子

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