T130160
3/12

3ビジュアル手術看護 私たち手術室看護師の役割は、患者様の安全・安楽・尊厳を守り、手術が円滑に進行するよう手術チームを調整することです。また、手術看護の実践は、心理的支援、麻酔看護、体位管理、体温管理、感染予防、体内異物遺残防止、機器管理、チームマネジメントなど広範囲にわたり、器械出し看護師と外回り看護師が多職種からなる手術チームのなかで、常に患者様を中心におき協力することにより成り立ちます。 しかし、手術室は各施設に一部署しかなく、新人さんにとっては未知の世界で、教えられる側はもちろん、教える側にとっても相当な時間と労力を要します。 そんな手術看護の実践を、手術看護を知らない人、はじめて経験する人・伝える人が、知り・学び・振り返り・伝え・理解し実践するために役立てばと願い、本書を執筆しました。広範囲におよぶ知識と技術から、まずは押さえておきたいポイントを選び、ビジュアル要素を多く取り入れた解説を心がけました。 手術看護にたずさわり十数年…。その間、手術看護がマイノリティー(少数派)なことに変わりはないですが、手術看護が認定分野に特定されるなど嬉しいこともありました。認定教育センターでは東京女子医科大学大学院の佐藤紀子先生に、「簡単な手術・同じ患者・同じ手術は絶対になく、日々出会う患者様の手術にいつも澄んだ心で取り組むことのできる人がエキスパートなのです」と教えられました。手術看護認定看護師となり3年が過ぎ、そんな手術室看護師になりたい、手術看護のやりがいを伝え仲間を増やしたいと思う気持ちは一層強いものとなっています。 発刊にあたり、私たちに機会をくださったメディカ出版の井澗さん、これまで出会った患者様、ご指導いただき支えてくださった上司・先輩・同僚、麻酔科をはじめとする各診療科の医師の皆様に感謝の意を表し、また新しい春に出会う仲間とともに手術看護に真摯に取り組みたいと思います。2009年 春倉橋順子&近藤葉子はじめに

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る