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8薬の効能だけを覚えても役に立たない 今日の講義のタイトルは「周術期でよくつかう薬の必須ちしき」です。でも、薬のことは半分ぐらいしか出てきません。なぜかというと、そもそも薬とは、使うときの状況をよく把握しないといけないからです。つまり「薬がわからない」という人の中には、薬の効能だけを覚えて、どういう状態でそれが使われるかということに目を向けていなことがよくあるんです。実は薬は、そういった、薬を使うときの周りの状況の方がむしろ大事なんです。薬を覚えようとするだけじゃダメですね。 でも、たいていの場合、薬の本というと薬のことしか書いてない。薬の作用とか副作用とか、どれぐらいの量を使うかといったことしか書いてないんです。これでは薬を使うときの状況が頭に浮かびません。もちろん、薬のことをよく知ってる人は、それらの限られた情報から使用時の状況を思い出すことができるんですよ。でも、まったく知らない人は、それらの薬がどのような場面で使えるかということはわからないんです。手術のときに使う鎮痛薬とは 例えばNSAIDs(Non-Steroidal Anti-Inammatory Drugs:非ステロイド性抗炎症薬)。これは手術のときにも使う鎮痛薬ですね。ではロキソニンⓇとかロピオンⓇといったNSAIDsで手術の侵襲を予防できるかと言うと、そんなことは絶対ありません。手術中にロピオンⓇとかを入①「薬を使う状況を理解する」ことの大切さ導入編 薬は「使うときの状況」を知らないとダメ!
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