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9導入編 薬は「使うときの状況」を知らないとダメ!れている状況を見て、「手術の痛みに対して、そのときの鎮痛を増強するために入れてるんだ」と思ったらこれは大間違いですよ。これは、手術の後のことを考えて入れていたり、熱のセットポイントを下げるシバリング予防のために入れていたりするのです。それが本当の狙いです。そういったことが、実はわからないんです。 手術のときに使う鎮痛薬っていうのは、もっともっと強い鎮痛薬じゃないと意味がありません。例えば、今はどこの病院でも入っていると思いますけど、レミフェンタニル(アルチバⓇ)っていう鎮痛薬があります。これは非常に強力です。レミフェンタニルは持続投与で始める薬 レミフェンタニルに似た薬に、フェンタニルという鎮痛薬があります。フェンタニルは使い始めたころはいいのですけど、どんどんどんどん入れていくと、作用時間が長くなってしまって麻酔から覚醒しにくくなってしまうんです。最初はいいんですよ。4アンプルや5アンプルのころは問題はない。だけどそれ以上入れるとダメなので、強い侵襲が来たときにはフェンタニルでは侵襲を防止できないのです。そこでフェンタニルに代わって登場するのがレミフェンタニルです。 レミフェンタニルが臨床で利用されるようになってから、非常にいい鎮痛ができるようになりました。でも、ご存じの方もいると思いますが、レミフェンタニルは持続投与しかしません。ちょっと一瞬、ボーラス投与(急速静注)しますけども、最初からボーラス投与するかっていうとしないですね。持続投与で始めるお薬なんです。 なぜかというとこのお薬は、急にぎゅっと入れると反応が強すぎるから。血管がばーんって開いたり、声門が閉鎖したり、そういったことが

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