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10起きてしまうんです。だから起きている患者さんにいきなりボーラス投与できるかというと、そうはいかないんです。おまけにこの薬は、濃度を非常に高く上げておいても、切ってしまえば30分ほどで体への影響がほとんどなくなってしまう。そんな作用を持っているのです。そこで、ある程度以上の設定で持続投与さえしておけば、急な手術侵襲には対応できるのです。強い侵襲が来たと思ったら高い濃度にすれば十分に対応できる。対応できるだけじゃなくて濃度を急激に上げることができる。それがレミフェンタニルです。 でも、レミフェンタニルはフェンタニルと違って、投与を切ったら急激に濃度が下がります。半減期はわずか3分。「3分間、シリンジポンプが止まっていたら血液中のレミフェンタニルの濃度は半分にまで下がる」という非常に恐ろしい薬なのです。こういう恐ろしいお薬っていうのは、手術室の中で麻酔科医がそこにいて、きっちりと薬のコントロールをしている状況でのみ使用が許されています。まあ、実際には麻酔科医じゃなくてもよく知っていれば、他科のドクターでもいいんですけどね。いずれにしても、医師による持続的444なコントロール下ということが重要なんです。レミフェンタニルは手術室でしか使えない だからICUではダメです。レミフェンタニルはICUでは使えない。そういうことになっているんです。レミフェンタニルは手術室でしか使えません。ICUに持っていってはいけないし、病棟でももちろん使ってはいけません。ただし搬送中、ドクターがついていてきちっとコントロールできる状況にあれば、使用は許されると考えることができます。効能書き上は許されてないんですけど、おそらく倫理的には許される、とい
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