6手術室ってどんなとこ?1“手術室”というと、テレビドラマの手術シーンのような、医師に手術器械を手渡したり、術者の汗を拭く看護師の様子を想像するのではないでしょうか? 実際にはそればかりではありません。まず手術を受ける患者さんの特徴や手術室の環境、特徴的な治療についてお話しします。こんな患者さんがいます1章手術はライフイベントのなかでも、大きなストレスとなります。手術が必要と言われた患者さんは、「まさか自分が、という戸惑い」や「生命が脅かされているのではないか、という恐怖」「予後に対する不安」「経済的な不安」など、これまでに経験したことのないような感情にさらされています。看護師には、患者さんの不安や恐怖などの心理的状況を理解し、患者さんが十分な情報を得て納得するまで医師の話を聞く機会を作り、自らの治療方法を決定できるよう支援する役割があります。手術という大きな選択をする患者さん麻酔で意識がなくなるってどんな感じ?手術の後って痛いのかな?お金はだいじょうぶかな…まさか自分が…治療方法を選択したあとも、患者さんは全身麻酔や手術に対する期待や不安など、さまざまな揺れる思いを抱えています。自分自身の想像を超える未知の不安のなかで、手術という現実に直面し、手術が早く終わることを願っています。私たち看護師は、術前訪問、術前オリエンテーションなどを通して、患者さんの手術前の気持ちを整え、少しでも安心感が得られるよう援助していきます。手術に向けて揺れる思いを抱える患者さん手術には、心臓、肺、消化器、皮膚、乳房、耳、鼻、筋骨などさまざまな種類がある手術室ナースの使命を理解し、やりがいをもって活き活きと看護しよう。
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