8手術室っていうと“閉鎖空間”“無機質”とか、“薄暗いところに無影灯が…”というようなイメージでしょうか?最近では、従来の“冷たいイメージ”を変え、手術を受ける患者さんの緊張を解くよう、温かみがあるような色調や壁面に写真やイラストなどを取り入れる施設もあります。こんな環境です2手術室は、一般病棟とは違い、空気の清浄度・温度・湿度・気流(気圧)を制御し、適切な状態に保つための空調設備が整っていなくてはなりません。手術を受ける患者さんの感染のリスクを軽減するために、手術室の空調設備は大変重要です。清せい浄じょう度どを高く維持できる環境が求められます。室温は患者さんの体温管理やスタッフの快適性などから、一般的に22〜26℃が目安です。湿度は一般的に40〜60%に保つために除湿や加湿が必要となります。手術室の空調空気中の微粒子がどの程度少ないか? つまりどれくらいキレイなのかということ清浄度のクラスは、日本医療福祉設備協会規格により、クラスⅠ〜Ⅵまで分類されている手術によって高度な清浄度が要求されるのはなぜ? 人工関節置換手術などは、バイオクリーンルーム(BCR)という高度な清浄度を保つ部屋で行われます。消化管などとはちがい、関節内や脳脊髄にはホコリなどは存在しないのが正常です。そのため高い清浄度が求められ、陽圧の空間となっており、出入り口扉の開閉や手術室の在室者数に影響を受けます。なんで? どうして?手術室の空調設備外気取り込み口から取り込んだ空気は、まず汚染物などを取り込まないようにフィルタを介し(外気フィルタ)、空調機までの汚染防止のために中性能フィルタを通る。空調機により適度な温度・湿度となった空気は手術室へ入り込む前に、HEPAフィルタなどの高性能フィルタを通過し、手術室の天井にある吹き出し口から清浄な空気が供給される・HヘパEPAフィルタは、0.3μmの粒子に対して、99.97%以上の濾過効率をもっている・スギ花粉は20〜40μm、黄砂は4μm、PM2.5は0.1〜0.3μmといわれている吹き出し口外気(プレ)フィルタ吸い込み口吸い込み口外気取り込みファン空調機排気口差圧ダンパ中性能フィルタ手術室外気取り込み口前室・手術ホール排気ファンHEPAフィルタあなたが緊張していると、患者さんはもっと緊張してしまうかも。スマイル!
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