どんな薬? デスフルランは主に鎮静薬として、全身麻酔の維持に使用される揮発性吸入麻酔薬である。現在使用できる吸入麻酔薬の中で、覚醒が最も速い。気道刺激作用があり、咳嗽や喉頭けいれんを誘発する可能性があるため導入には不向きである。中脳網様体や大脳皮質などに対する抑制作用が考えられているが、作用機序は未だ解明されていない。 デスフルランの「血液/ガス分配係数」は0.424と現在使用できる吸入麻酔薬の中で最も小さく、迅速な覚醒を得られる。MACは6.0%である。剤形と投与方法の例◦240mLの容器に入っている。◦維持濃度:7.6%以下◦酸素あるいは酸素と亜酸化窒素を併用して使用。副作用◦悪心・嘔吐◦末梢血管拡張による血圧低下◦QT延長◦悪性高熱症 (p.2「セボフルラン」を参照)禁忌 悪性高熱およびその疑いのある患者、QT延長症候群 (p.2「セボフルラン」を参照)血管内治療とどうかかわる?◦全身麻酔の維持に使用される。◦セボフルランより「血液/ガス分配係数」がさらに小さく、調節・覚醒が速やかである。◦肥満・高齢などの患者では、覚醒に時間がかかることがある。速やかな覚醒を得たい患者で吸入麻酔薬を使用する場合に有利である。1章2麻酔関連薬1吸入麻酔薬スープレン®(デスフルラン)4
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