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野口 純子総合病院厚生中央病院 インターベンションエキスパートナース IVR(画像下治療)は、局所麻酔でありながら、全身麻酔で行われる外科的治療に匹敵する治療効果が得られるばかりか、全身麻酔による侵襲もなく、また、傷口も数ミリであることから、低侵襲治療として発展してきました。その過程では、診断装置の高性能化や、デバイス(機器)の開発、改良に伴い、頭から足先まで、小児から高齢者までと対象の幅も広がり、従来は外科的治療しか行われなかった疾患に対しても治療ができるようになりました。特に血管内からアプローチをするIVR(血管内治療)の分野では、目覚ましい発展を遂げています。しかし一方では、治療内容が高度になり、かつ長時間にも及ぶことから、全身麻酔で行う手技も増えてきました。 このように日々進化をしていくIVRを担う看護師をはじめとした医療スタッフも、医師から指示をされたことだけをするのではなく、常に、患者さんにとって最善の治療を提供するために専門性が求められるのは当然のことだと考えます。 しかし、実際はどうでしょうか? 看護師を例にとって考えますと、人手不足により何らかの業務と兼務であったり、施設の人員配置により、たまにしかIVRに入ることができない体制をとっていたりと、IVRの経験を積みたくてもなかなか積めないのが現状ではないでしょうか? 知識や経験に乏しいと、医師の介助をすることに精一杯で、患者さんのことに目を向けられなかったり、思うように看護ができず、ひいてはIVRを担当することがストレスで、つまらないものになってしまいかねません。また、医師の指示の根拠がわからないことで、間違いが指摘できずに思わぬ事故を起こしてしまう可能性もあります。 本書は、初心者の方を始め、たまにしかIVRにつかない方にも、一目で要点がわかるようになっています。また、要点の後のページには、その根拠がわかる解説もついています。急に担当をすることになった場合などには、要点にさーっと目を通し、あとから、ゆっくり振り返りもかねてじっくり読んでいただき根拠を理解していただけたらと思います。私自身、本書の校正の過程で、しばらく担当していない手技に対し「あー、そうだった。こういう観察が必要だった」と思い返したり、なかなか経験する機会のない手技に対しては「こういう、ポイントがあるのだな。結構奥が深い手技なんだな」と新しい知見を得る事ができました。 ぜひ、みなさんが自信を持って、よい医療を提供するために、ご活用いただければ幸いです。 みなさんが担当した患者さんが、笑顔で社会に帰れますように!はじめに

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