さくら あっ!「このチェックリストには、すべてのものを含むことを意図していない。施設の実情に応じた追加・改変が推奨される」1)とあります。さぬちゃん そうですね。掲載のものをそのまま使ってはいけないんですね。すみれ 桐山先生、うちの病院ではどう改変したらいいんでしょうか?桐 山 「③麻酔器と薬剤のチェックの完了」のところで「アルチバⓇの希釈チェックや薬剤のバイアル、アンプルとの突き合わせをしましたか」を加えるというのがいいですかね。アルチバⓇのお尻が白くないこともね(笑)。さくら いつも自分がついた時には、やっていましたが、チェックリストに入れておけば見落としがなくなりますね。すみれ そうやって、事前に見落としを防ぐのですね。チェックリストをもっと見直したくなりました。さぬちゃん さて、ミズチバの本当の害とは何でしょうか?さくら 患者さんがきちんとした全身麻酔を受けられないことだと思います。桐 山 ぜひ、麻酔導入前のチェックをきちんとして患者さんが不利益を被らないように、みんなで頑張りましょう。すみれ はい。さぬちゃん ぜひやってみてください。新しいリストができたら、教えてくださいね。さぬちゃん さて、桐山先生、アルチバⓇのいいところを説明してください。桐 山 すぐ効いてすぐに切れるところですね。入っているのと入っていないのは、天国と地獄ほどの差があります。さぬちゃん そうですね。麻酔導入時や執刀時にも実感しますが、手術終了時にアルチバⓇの持続注入を止めた時にも実感しますね。さくら そういえばちょっと前に、はじめ先生がアルチバⓇを止めて、術後の鎮痛薬を入れずに覚醒させたことがありましたね。その時、いつもよりかなり早く患者さんが覚醒したんです。「先生、麻酔うまくなったね」とほめたら、その直後に患者さんが暴れ始めたんです。すみれ それ、痛みが激しくて早く覚醒したんじゃないの。桐 山 そうそう。あの時は、はじめのところに呼ばれて行った後、フェンタニルをゆっくり1A静注したね。そうしたら患者さんは暴れなくなって、血圧も呼吸も患者さんの表情も落ち着いてきたんだ。さくら アルチバⓇって術中にしか使えないから、術後鎮痛を考えて覚醒させないとダメなのがよくわかりました。さぬちゃん そうだね。アルチバⓇは半減期(血液中のアルチバⓇが半分になる時間)が3分なので、術中にちょっと止まっていただけでも患者さん10
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