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手術室のみなさんへ「せんせ~。手術室で使う薬剤がよくわかりませ~ん」新人看護師が私を見ると必ず、麻酔科の使う薬がよくわからないと訴えてくる。決して難しくはないと思うのだが、とっつきにくいことは確かだと思う。看護師だけでなく初期臨床研修医からも、簡単に教えてほしいという要望をもらうことがある。本書は、新人看護師や研修医の「麻酔科の使う薬は難しい」を払拭するために、手術室で麻酔科が使う薬に関する、よくある失敗(あるある)をキーとして構成した会話形式の新しい書籍である。本書の内容は、2016年度に『オペナーシング』に1年間連載した手術室の薬剤の話題がオリジナルで、それを書籍として読みやすい形にまとめ直したものである。月刊誌での1年間の連載ということで、麻酔科の薬剤をなんとなくゆるい形で12章に分けた。自画自賛といわれるかもしれないが、このゆるさも著者は非常に気に入っている。各章は3つのパートから構成されている。1つめのパートには、新人の失敗あるあるマンガ、その次のパートには、先輩ナースや医師たちの座談会、最後のパートには、その章でとりあげた薬剤についてのさぬちゃん流の説明文が入っている。また、看護師だけでなく研修医にも役立つ内容を盛り込んだ。決して必要な説明を端折るのではなく、必要な内容をやさしく説明すること、とっつきやすい形で提供することを心がけたつもりである。“こそ勉”という言葉が示すように、勉強しようという意気込みを持った看護師や研修医を対象としたため、これまでの書籍では解説していないトリビア的な話題も惜しみなく掲載した。薬剤に関する書籍は、従来は多くの人が辞書的に引くという使い方をしてきたと想像されるが、本書では通読するという楽しみを提供したいと考えている。さあ、あなたも、本書を通読してさぬちゃんワールドに浸かってみよう。2020年初秋新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、まだまだ国民の行動制限がある中、広島の自宅にて讃岐美智義

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