7ICUってどんなとこ?章1くも膜下出血術後くも膜下出血の原因は脳動脈瘤や脳動静脈奇形、外傷などがありますが、その大半は脳動脈瘤の破裂によるものです。治療は、開頭クリッピング術や血管内コイル塞栓術を行います。手術によって再出血を予防できますが、術後2〜3週間はさまざまな合併症に対たい峙じしなければなりません。おもな合併症は脳血管攣れん縮しゅくで脳動脈が細くなり、脳への血流が悪くなり、高度になると脳梗塞を引きおこすことがあります。冠動脈バイパス術(CABG)後急性心筋梗塞などで狭くなった冠動脈を迂う回かいするバイパスをつくる手術です。CABGの適応は、左ひだり冠かん動どう脈みゃく主しゅ幹かん部ぶ病びょう変へんに50%以上の狭きょう窄さくがある、三枝病変、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が困難な場合などです。開心術後は、手術侵襲からの回復と低心拍出量症候群や不整脈などの合併症を防ぐことが必要です。周術期・術後患者さん肺炎や敗血症など何らかの原因によって、急激に重症の呼吸不全をきたす疾患です。胸部単純X線(レントゲン)像では、両側性スリガラス陰影と浸しん潤じゅん影えいを特徴としています。原因の診断や治療が必要になります。感染症の併発に留意し、抗菌薬の適正使用を考慮していきます。重症化すると、人工呼吸下での筋弛緩薬の併用や腹臥位療法、高頻度振動換気、ECMOを検討します。急きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん性呼吸窮迫症候群(ARDS)off-pump CABG:OPCABon-pump CABG心拍動下CABG(人工心肺を使用しない)メリット:人工心肺を使用しないことによる低侵襲デメリット:拍動下にて高度な技術が必要心停止下CABG(人工心肺を使用する)メリット:心停止下による手技のため完遂しやすいデメリット:人工心肺は非生理学的で侵襲が大きい冠動脈バイパス術オプキャブとよぶこともあるよCABGバイパス用の血管(グラフト)人工肺とポンプで呼吸補助を行う P.69脳動脈瘤のクリッピング術こわがらず、患者さんのもとに行こう。いろいろな情報がわかるよ!
元のページ ../index.html#7