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1分子標的薬:Bcr-Abl1イマチニブYORi-SOUがんナーシング別冊 23時期によって特に注意すること筋痙攣・関節痛骨髄抑制消化器症状04321イマチニブ400mg1日1回肝障害浮腫治療中■ 骨髄抑制皮疹months治療前■ 併用薬の確認■ 疾患名と用法・  用量の確認治療後早期■ 消化器症状(悪心・嘔吐、下痢) ■ 肝障害  ■ 筋痙攣・関節痛 ■ 浮腫   ■ 皮疹投与これだけは覚えておきたい ケア上の要点投与前に確認すること併用薬の確認  疾患名と用法・用量の確認特徴的な副作用治療後早期消化器症状(下痢、悪心・嘔吐)  肝障害浮腫(眼瞼周囲浮腫が最も多い)筋痙攣・関節痛(筋痙攣は手足・大腿・下腿に多く、関節痛は股関節・膝関節に多い)皮疹(前腕・体幹部に発現することが多い)治療中骨髄抑制(白血球減少、血小板減少、貧血)患者指導の重要事項消化管刺激作用を抑えるため、食後に多めの水で内服する体重を定期的に測定し、急激な体重の増加に注意する飲み忘れた場合は、気づいてもすぐに服用せず、次回の服用時間に1回分を内服する陽性ALLは1日1回600mgを食後に内服します。KIT陽性GISTは1日1回400mgを食後に内服します。FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群あるいは慢性好酸球性白血病では、1日1回100mgを食後に内服します。血液所見や年齢、副作用に応じて適宜用量を増減します。内服の不遵守によって血中濃度が不十分となり、治療効果が減弱する可能性があるため注意が必要です。注意事項イマチニブは、おもに薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、CYP3A4の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には注意が必要です。Ph陽性ALLの治療において、本薬剤と抗がん剤を併用することで肝障害が重症化することがあります。GIST患者において、イマチニブ投与後に腫瘍崩壊が起こり、消化管出血や穿孔などが現れることがあります。副作用頻度の高い副作用として、白血球減少、血小板減少などの血液毒性と、浮腫、消化器症状、肝障害、皮疹、筋痙攣、関節痛などの非血液毒性が報告されています。これらの副作用は、ほとんどの場合、適切な支持療法により管理可能です。患者指導定期的に血液検査を実施する必要があり、投与開始直後は頻回の通院が必要となります。むくみによって体重が増加することがあるので、自宅でも体重を測定するよう指導します。悪心・嘔吐は空腹時に発現しやすいため、イマチニブの服用は1日のうち最も量の多い食事とともに、多めの水で服用することが推奨されています。(横山和樹・丸山 大)

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