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1分子標的薬:Bcr-Abl2ニロチニブYORi-SOUがんナーシング別冊 25時期によって特に注意することニロチニブ300mg1日2回0321発疹肝機能障害QT間隔延長骨髄抑制months投与前■ 薬物代謝に影響する他剤を  内服していないか確認■ 心電図異常の有無■ 膵炎の既往を確認投与後常に■ 骨髄抑制に伴う症状  (発熱、出血傾向など)投与後初期■ 発疹■ 肝機能障害■ QT間隔延長投与これだけは覚えておきたい ケア上の要点投与前に確認すること併用薬の確認   心電図異常の有無   膵炎の既往の有無特徴的な副作用発疹   頭痛   悪心・嘔吐   骨髄抑制患者指導の重要事項食事の影響を受けるため内服時間を遵守する相互作用のある薬剤が多いため、市販薬を含めて安易に追加内服しない。市販薬や他院で処方された薬剤を必ず担当医、看護師、薬剤師に報告する副作用が現れた場合は速やかに報告する能性があります。副作用・患者指導副作用で多いのは発疹、肝障害(ビリルビン上昇を含む)などです。頻度は少ないですが重篤な副作用としてはQT間隔延長や心タンポナーデ、膵炎があります。発疹は抗ヒスタミン薬の内服やステロイドの外用薬・内服薬で対応します。肝障害やリパーゼの上昇、QT間隔延長を認めた場合は減量・中止する必要があり、投与開始後は血液検査の結果や心電図に注意して経過を観察します。ニロチニブは食事と内服時間の関係が複雑であるため、しばしば内服時間の不遵守が生じます。食事による影響が大きいことを説明し、食前または食後の内服時間を遵守するように指導します。食事時間が毎日一定になるよう規則正しい生活を送るように指導することも重要です。相互作用のある薬剤が多いため、新たな薬剤を服用する場合は担当医に相談し、安易に市販薬や健康食品を服用しないように指導します。ニロチニブは高額な薬剤ですので高額医療費制度の対象となることがあります。制度を活用し金銭面での不安にも対応していくことも重要です。(横山和樹・丸山 大)

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