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講義を始める前に 皆さん、はじめまして。沖縄の中部徳洲会病院 疼痛治療科の服部です。ここで今一度、表紙を見てみてください。Dr.服部は実物よりも痩せてデフォルメされています。よく見てみると、手に持っているのは硬膜外用Tテューイuohy針、プロテクターは椎弓や仙骨でできている秀逸な作品です。また、Ns.神山は秘伝書を片手に、椎体のプロテクター、腰に巻いているリボンは……リネン?かな。いずれにしても素晴らしいイラストですごく気に入っています。 さて、本書を読んでいくと、なんだか漫画や普通の小説を読んでいるような不思議な感じになるかもしれません。教科書的な専門書じゃないので物足りないこともあるかもしれませんが、メディカ出版の臨床看護セミナーでの講義のイメージが、そのまま頭に思い浮かぶように心がけてつくりました。ですので、基本は口語調の文体になっています。内容一つひとつをしっかりと学ぶというよりも、読んだら自然と基本的な考えが身についてしまうという、どこかの英会話ソフトみたいですが……そんな本であれたらと思います。電車の中で、新幹線の中で、飛行機の中で、待ち合わせの最中などどこでも読み流していただければ幸いです。 がん患者に関わる看護師だけでなく、新人看護師にもぜひ読んでもらいたいです。患者のそばに、いちばん寄り添う医療者は看護師だからです。看護師以外の職種の方々にも、「がん疼痛って、こんなふうに治療するんだ」と知ってもらえたらと思います。がん患者に関わる医療関係者のすべてが、がんの痛みや苦痛を理解することが、がん患者のQOLを向上させるための早道だと信じています。

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