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ますます!ますます!仁和寺の僧侶(徒然草) 11手洗いも「ブラシと消毒薬と滅菌水を用いた手洗い」から「(石鹸と流水による手洗いのあとの)持続活性のある消毒薬を含有したアルコールを用いた手指消毒」に切り替えられました。このように手指衛生はアルコール手指消毒がメインとなっているのですが、一部のスタッフは誤解したままとなっているようです。 CDCは基本的にはアルコール手指消毒薬による手指消毒を推奨しています。ただし、手指が肉眼的に汚れていたり、蛋白性物質で汚染されていたり、血液やその他の体液が付着している場合には、石鹸と流水による手洗いをして、それらを洗い落すことを推奨しています。これは手指が汚れたままであると、その上からアルコールを塗布してもアルコールの効果が減少してしまうからです。 石鹸と流水よりもアルコールが推奨される理由には様々なものがあります。1つ目は、アルコールは石鹸と流水よりも殺菌効果が強いということです。実際、手を石鹸と流水で15秒間洗っても皮膚の細菌数は1/4~1/12にしか減少しません。30秒間でも1/63~1/630程度の減少です。一方、アルコールは人為的に汚染した手の細菌数を30秒後で約3,000分1に減少させ、1分後では1万~10万分の1に減少させたという研究があります2)。2つ目は、アルコールは手を清潔にするのに要する時間を石鹸と流水よりも大幅に短縮できることです。石鹸と流水の手洗いでは手洗い場まで移動しなければならないことと、手洗いの後には水分の拭き取りに時間を要するからです。実際、多忙な業務において15秒以上の手洗いに加えて、ペーパータオルによる念入りな手指乾燥は不可手指衛生では基本的にはアルコール手指消毒が推奨されるが、手指が肉眼的に汚れていたり、蛋白性物質や血液などが付着している場合には、石鹸と流水による手洗いをする。

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