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患者教育の変遷171移行するということですから、変わったのだということです。 どういうふうに変わったかというと、強い人が弱い人に、つまり権力をもっている人が権力をもっていない人に施すという関係から、横の関係、対等の関係になってきている。看護でいえば、患者さんを中心に据え、その人の力が十全に発揮されるようにかかわっていくということです。ですから「指導する」のではなく、「いっしょに学ぶ」という関係です。これが、患者教育を考えていくときの基本になります。 このパラダイムシフトは医療の世界だけでなく、社会のあらゆるところで見られる現象です。 マンガ的にイメージすると次ページのイラストのような感じになります。 まず「医学モデル」というのは、川でおぼれている人を助けるイメージです。おぼれているのが患者さん、助けているのが医療者ということになります。つ権威的、家父長的抑圧的論争型、勝ち負けをつける(おおむね教える側が勝つ)教育者が「教えたいこと」が目標となる指 導 型対等、兄弟姉妹的開放的対話型、啓発し合う学習者自らが目標を見いだしていく学習援助型教育者の態度学ぶ環境討議の特徴教育目標➡「おぼれた人を助け、柵さくに近づけない」のが従来のやり方健康教育のパラダイムシフト

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