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9第1部理論編1第章教育的実践力を高めるモデル 「看護の教育的関わりモデルver. 8.0」の概要、開発プロセスど7つの研究テーマの1つとして選出され、研究討論会では公募に応じた学会員が学士会館別館に集まり研究を模索しました。研究討論会後、「患者教育」に集まった参加者は、患者教育研究会(河口てる子代表)を結成し(1994年7月〜)、効果的な患者教育を模索する研究を開始しました。 当時の患者教育研究会メンバーは、40歳前後の若手研究者が中心で、領域も慢性看護学領域だけでなく、クリティカル看護学や母性看護学領域の研究者も含まれていました。その後、研究会は、若い研究者や専門看護師・認定看護師などの臨床看護師を加えながら23年間研究を継続し、「看護の教育的関わりモデル」の構築へと発展しました。2)事例の分析 最初の研究の糸口は、「熟練看護師が行っている教育では、しばしば患者が自己管理に向かって(自主的に)行動変容している」「しかも、患者はその看護師に絶対の信頼を置くようになる」という気づきでした。その気づきから、行動変容のきっかけとなった熟練看護師の患者教育を具体的に記述し分析すれば、効果的な患者教育の方法を明らかにできるのではないかと考えたのです。そのため、まずはこれら熟練看護師の「技」を記述・分析し、その要素を抽出することにしました1)。 看護師による患者教育事例を158事例収集し、私たち看護研究者・臨床看護師集団が1つ1つ分析しました。分析に用いられた事例は、プロセスレコードのようなフォーマットで記述され、記述様式は、薄井坦子氏(1997年3月まで会員)の事例用紙を修正し使用したものでした。この様式は、「患者の反応」をA、「看護師の判断、およびその根拠となったデータ・情報」をB、「看護師の行動・ケア(教育)」をCとし、患者の反応を中心に患者行動・心理、および看護師との関わりをトピック・場面単位で記載しました。Aの患者の反応では言動・表情・状況他を記入し、Bでは看護師が感じたこと、考えたこと、その意図、およびその根拠となったデータと情報を記載、Cは実際に行った教育内容を記載するように設定しました。 この23年の間に分析を行ったメンバーは55名で、現在の会員数は23名です。1回の分析に集まる会員数は、最少5名、最多21名、平均すると12.5名で、看護研究者(教育分野)が6割強、臨床看護師が3割、その他大学院生等が少々です。毎月1回、東京の会場か会員の所属施設等に集合し、時に2泊3日の集中討議をするなど検討を続けました。メンバーの所属や身分・職位は次々と変わり、専門看護師や認定看護師が新規に加入するなどしましたが、当初から

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