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10研究者と実践家との協働で研究を続けたのが特徴でもありました。3)モデルの発表 このようにして開発されたモデルは日本看護科学学会などの看護系学会で発表したり、看護雑誌に掲載したり、公開講座を開催したりして公開しました。妥当性や使い勝手を知るために臨床看護師から広く意見を求め、日本看護科学学会学術集会では、第19・20・25・29回に演題発表し、第26・33回には交流集会を行いました。日本慢性看護学会では、第2回に研究交流ワークショップ、日本糖尿病教育・看護学会学術集会では、第17回にシンポジウム、第19・34回には演題発表を行っています。 日本糖尿病学会の教育講演会である「糖尿病学の進歩」では、第42回(2008年)の教育講演として、同一会場で朝9時から午後4時まで6時間を連続で使ってモデルの各概念を説明する機会を与えられました。また、研究会主催の公開講座も東京・弘前・福岡・京都と4カ所で開催してきました。 看護研究者と実践家が一緒になっていくつもの教育事例を分析・討議していく中で、患者が変わっていくことになった7つの主要構成概念が抽出されました。●とっかかり/手がかり言動とその直感的解釈●生活者としての事実とその意味●病態・病状のわかち合いと合点化●治療の看護仕立て●教育的関わり技法●患者教育専門家として醸し出す雰囲気(ProfessionalLearningClimate)●対象者の変化 これらの概念は、概念そのものが抽出・検討されただけでなく、概念間の関係性から、最初「患者教育のための『看護実践モデル』Version1」として図式化されました。モデルは何回かの改定を経て、Ver.4からは「看護の教育的関わりモデル」と名称変更され、現在Ver.8.0に至っています1〜5)。モデルの形を大きく変えたり概念名を変えたりしたのが7回、概念の定義など小改正をしたのが多数あり、図1〜8のように変遷を遂げました。概念分析および内容の深化とともに、それぞれの概念にも看護行為のプロセスがあることが明らかになりました。……概念の抽出とモデルの変遷3

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