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 今年23年目になる私たち「患者教育研究会」は、1994年に行われた日本看護科学学会研究推進委員会主催の研究討論会「患者教育、指導方法」をきっかけに結成されました。この研究会は、メンバーの「看護師による患者教育をもっとよくしたい」「効果的な患者教育とは何かを明らかにしたい」という熱意に支えられ、思いのほか長く、活発に続けられることになりました。 メンバーは、毎月1回東京で、時にメンバーの所属大学で、十数回は雑音の入らない研修所等で2泊3日の合宿を行いながら、北は北海道、南は九州博多から集まり討議しました。この23年間は、あっという間の、しかし常に新しい発見のある充実した時間でした。 研究の最初の切り口は、「ある熟練看護師が関わると、なぜか患者が行動変容する」、「それはいったいどのような関わり、教育方法なのか」、「それらを記述、分析、抽出すれば効果的な患者教育が見えてくるのではないか」という期待でした。看護研究者と実践家が一緒になって、いくつもの教育事例を分析・討議した結果、患者を行動変容に導いたいくつかの看護行為要素(概念)が抽出されました。また、抽出された概念間の関係を議論するうちに、概念間の関係性が図式化され、それは当初「患者教育のための看護実践モデル」の名称で、後に「看護の教育的関わりモデル」に変更し発表しました。 分析は現在も続いていますが、モデル図、概念、定義の変更・追加は看護系学会等で発表し、雑誌に掲載してきました。2003年に『看護研究』、2006年『プラクティス』、2006年『看護学雑誌』、2011年『ナーシング・トゥディ』などです。今回、研究の集大成として、これらに手を加えて一冊の本にまとめました。今後もモデルは修正を加えられ更新されていくと思います。どうぞ、忌憚のないご指摘、ご批判を賜りたく、お願い申し上げます。 2017年12月 患者教育研究会代表 河口てる子はじめに:「看護の教育的関わりモデル」開発から23年

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