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13 コーチングでは、「すべての答えは、相手がもっている」ことを前提としています。つまり、コーチングを用いる医療スタッフの役目は、患者さん自身がもっている答えを引き出すコミュニケーションを意識して用いることなのです。なぜ療養はうまくいかなかった? Aさんは指導内容を頭では理解していましたが、職場復帰してみると、思わぬ事態が次々と起こったそうです。 医療スタッフから一方的に指導するばかりで、患者さん自身が考えない教育方法では効果がないことに、医療スタッフも気がつきました。自分で考えて決断し、行動できるように促す「自律性」や、「学習力」を身につけてもらえる側面をもったコーチングを取り入れた患者教育が必要であると認識しました。じつは仕事に復帰したら自分がいないあいだに問題が起こっていて昼も夜も仕事をしていたら治療どころじゃなくて……そのときの対策を教えてもらっていなかったし、自分では考えられなくて……私たちの指導は一方向だったんだ!患者さん自身が考えて決断する、双方向のコミュニケーションが必要だったんだ!!●相手の意識やモチベーションを高め、自発的な行動変容を促すためには、意識した双方向型のコミュニケーションである「コーチング」を用いることが必要である。患者さんの心をつかむコーチングの基本1日本の医療現場のコミュニケーションはどうあるべきか?第章1

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