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た、困った患者さんたちです。みなさんの周りにも似たような患者さんがいるのではないでしょうか。本書が、コーチングを学ぶ以前の私と同じように、このような困った患者さんの教育に悩む医療スタッフの一助になれば幸いです。コーチングの使い始めは、スキルを用いることが難しいと感じるかもしれませんが、一度にすべてのスキルを使いこなそうとするのではなく、日々の患者教育を行う際に1つのスキルに絞って用い、違和感なく自然にできるようになるまで、あきらめずに何度もチャレンジしてください。そして、かならず自身で振り返りを行い、「次回はこういうふうにしてみよう」と考えることで、スキルアップにつながります。みなさんが着実にスキルアップできるように、本書は身につけてもらいたいスキル順に構成しています。 また、コーチングのスキルを習得することにより、本書でも述べているようにセルフコーチングができるようになります。私自身も、このセルフコーチングにずいぶん助けられ、昔の自分からは考えられないほど、たいへんプラス思考になり、精神的にタフな人間になりました。患者さんにコーチングスキルを用いるためには、スキルを用いるあなた自身の考え方やものの見方(人間観)がとても大切になります。本書によって、あなた自身も癒やされ、明るい未来に向かって進める人間になれるよう願っています。前向きなあなたを見て、患者さんは勇気づけられることでしょう。 末筆ながら、私を一人前の医療人としてここまで成長させてくださったすべての方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。 また、私的な事情でいったんは医療分野を離れる覚悟をした私を、さまざまな執筆依頼を通じていつもあたたかく見守ってくれた『ニュートリションケア』編集室の西川雅子さん、そして3年以上の長きにわたり本書のもとである連載をサポートしてくれた元・『糖尿病ケア』編集室の酒井千裕さんをはじめ、株式会社メディカ出版のみなさまに心より感謝申し上げます。筆舌に尽くしがたいほど、多くのみなさまのあたたかい励ましとサポートのおかげをもちまして、ここに念願の本書を出版できることを深謝致します。 2018年4月坂井敦子

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