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 近年、糖尿病の治療薬が数多く発売され、糖尿病薬物療法の多様性が増してきております。しかし、医薬品の手札が増えたとしても、個々の患者さんを“ひとりの生活者”として見守りながら良質な血糖コントロールを継続するためのサポートを模索しなければなりません。通常、薬物療法について学習する場合、医薬品の薬学的特性について学び、病態に絡めて解釈するという手法が主となります。とくに医薬品は化学物質(モノ)ですから、適正使用情報をしっかりと押さえることが基本です。しかし、ここで大切なことは、それを使用するのは“ひとりの生活者”であるということです。私は、常々この「モノとヒトの関係」に着目してきました。そのような折、症例検討を題材とした研修の企画に関与することになり、研修のありかたについて考える機会をいただきました。その経験から、薬物療法を行っている患者さんへのアプローチ法を、いくつかの事例で模擬体験できるような書籍の必要性を強く感じました。そこで、第一線でご活躍されている先生がたに療養指導のコツをまとめていただくことになりました。 第1部では総論として基本的なポイントをまとめました。そして第2部の症例検討ではさまざまな患者さんを取り上げ、症例紹介、問題点の抽出、カンファレンスシーン、実際のかかわり、経過、ポイントをまとめました。また、これを症例勉強会のディスカッションなどの題材として使用していただく際に必要なファシリテーションのポイントについてもまとめました。ぜひ、個人学習以外に、おおいに集団研修会のテキストとしても活用いただきたいと思います。 最後に、快くご執筆いただきました著者の先生がた、内容や構成につきまして監修いただきました新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科教授 曽根博仁先生、そして本企画を素晴らしい形にしてくださいました富園千夏様はじめメディカ出版の皆様に感謝いたします。2019年7月新潟薬科大学薬学部臨床薬学研究室教授朝倉俊成4編集にあたって

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