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1.インスリン分泌量の変化 インスリンの分泌には、食後急激に上昇する血糖値を抑えるために分泌される「追加分泌」と、血糖値を上昇させるホルモンを抑えるために、1日中一定量で分泌されている「基礎分泌」があります。 1型糖尿病は通常、急激に発症することが多く、膵β細胞の破壊によって追加分泌、基礎分泌とも低下し、絶対的なインスリン分泌不足となります。 2型糖尿病は、過食や運動不足、肥満などの環境要因に、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性などの複数の遺伝要因が加わり発症します。2型糖尿病は、まず発症初期の段階で食後の血糖に対するインスリンの反応が鈍くなり、徐々に追加分泌が低下し、食後高血糖が認められます。さらに糖尿病が進行して膵β細胞が障害を受けると基礎分泌も低下し、空腹時血糖値も上昇していきます。 そのほかの糖尿病として、急性・慢性膵炎、膵臓がんなど膵臓の疾患が成因となる膵性糖尿病でもインスリン分泌量が低下することがあります。2.評価と治療 インスリン分泌能を評価する臨床検査は、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)、グルカゴン負荷試験、24時間尿中Cペプチド排泄量などがあり、血中インスリン値や血中・尿中Cペプチド値を測定することで、インスリン分泌能が評価できます(表)。インスリン作用不足の程度は患者さんによってさまざまですが、個々の患者さんのライフスタイルやインスリンの分泌量に合った糖尿病薬の選択が必要になります。表 Cペプチド値によるインスリン分泌能の評価・Cペプチドとは、プロインスリンが膵β細胞内で切断され、インスリンと等モルで分泌されるペプチドである。・空腹時血中Cペプチド値0.6ng/mL未満、24時間尿中Cペプチド排泄量20μg/日未満ではインスリン依存状態の可能性が高い。引用・参考文献1)日本糖尿病学会編・著.糖尿病治療ガイド2018-2019.東京,文光堂,2018,128p. (本田一春)4糖尿病ではインスリンの分泌量が減少するって本当?糖尿病では病気の進行に伴い、徐々にインスリンの追加分泌、基礎分泌の量が低下します。13糖尿病ケア別冊第章1糖尿病の病態生理

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