302220451
3/12

第1章3はじめてのICU看護はじめに 2013年に「はじめての透析看護」の初版が世に出てから早いもので6年が経ちました.本書は,その書名の通り透析室にはじめて配属された新人看護師の皆さんが正しい透析療法の理解を深め,安全で質の高い医療・ケアを提供できることを目的として刊行しました. 刊行直後から本当にたくさんの方々にお手に取っていただき,増刷を重ね第8刷を数えました.監修・編集者はもちろん執筆者である医療法人眞仁会スタッフ一同大変うれしく,励みとさせていただいてきました.しかしこの6年のあいだにも透析医療は日々進歩しており,2013年当時のデータの修正,新たな知見や治療法を加える必要が出てきました.そこででき得る限り初版のコンセプトを損なわぬよう追加・修正を加え,このたび「改訂2版」として刊行する運びとなりました. 末期腎不全のための腎機能代替療法には,腎移植,腹膜透析療法,血液透析療法があります.このなかで血液透析療法は全国の透析患者さんの治療の約97%を占めており,本書はこの血液透析療法を中心に解説しています. 1960年代に普及した血液透析療法は,歴史的な経過のなかで目覚ましい進歩・発展を遂げました.しかしどんなに治療が進歩したとしても生体腎を完全に代償することはできません.患者さんは生涯透析を継続するとともに,食事療法や薬物療法といった自分自身が行う自己管理に積極的・主体的に取り組むことが求められます.このような治療の特殊性は生命を維持するためとはいえ,心や身体を含め生活の営み全般にさまざまな影響を与えることになります. 透析看護は,専門的知識と技術を用いて安全で安心できる治療・ケアを提供するとともに,透析を継続していくうえで抱えるさまざまな問題に対し,相談・助言・指導・調整といった技術を用い,セルフケア確立と促進への支援,長期療養に伴う生活調整への支援を行います. この新たにbrush upした「改訂2版 はじめての透析看護」もまた初版本と同様に新人看護師の皆さんのテキストとして,また教育を担当する先輩看護師の皆さんの指導書として役立ていただければ幸いです. 2019年9月 萩原 千鶴子

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る